ゲームをプレイして鬱になる事はないでしょう。しかしながらこの『ボクの彼女はガテン系』を進めると、高い確率で悲しい気分になります。
気の強いヒロインとの馴れ初めから始まり、理想的な家族を築きながら幸せな生活を送るものの、それがゆっくりと崩壊していくのですから、耐久性を持っていない人にとってはとても辛い内容になっています。会社の慰安旅行で飲みすぎてしまい、しばらく酔い覚ましに妻と一緒の部屋で寝ていると、横から妻の声が聞こえてくるでしょう。しかも襖一枚で隔てた向こう側からです。早くもバッドエンドかと思われがちですが、通常のルートです。タイトルにもあるように避けられない運命なのです。
なかなかシチュエーションなので腹の底からグッとこみ上げてくるものがあります。その際に行動してしまうと話しが終わってしまうので、何を見ても大人しく静かに耐えなくてはなりません。対して私のようなすっかり目覚めてしまった者にとっては、憧れと言うか実際されてほしいくらいの状況です(相当ショックでしょうが)。まあそれ以前に関係者がいないのでスタートラインにすら立っていませんけどね。
世界観は『麻呂の患者はガテン系』シリーズと一緒です。この場にいる人物が後の作品にも当時します。また主人公が選ぶ道のキーマンとなる人物のエピソードもあるので過去に何があったのか、しっかり把握するとよいでしょう。
そしてヒロインの美咲と結婚できるわけですが、その幸せな生活に闇が忍び寄ってきます。そもそも主人公の田中マサシが工事現場のバイトをする以前からチーフは別の男に狙われており、計画の材料に過ぎませんでした。しかし度重なる事件を経て、互いに惹かれあうようになるのです。
意図的に時間がずらされている仕掛けや心理描写は見事です。ゲームの内容や画像などは
こちらのマジで鬱になるゲーム『ボクの彼女はガテン系/にレビュー付きで見られます。ルートの分岐付近で、続きは実際にプレイした方がより効果的でしょう。
奪われる際に感じる失望感や信じていた人に裏切られた失望感が味わえます。周囲が信じられなくなり、すっかり部屋の片隅に引きこもってしまう原因にもなりかねません。帰りが遅くなる妻など心配になって寝られなくなるでしょう。
ただし結末は結構ハードなのでトラウマを抱えてしまう危険性があります。なんとなくではなく、勇気と覚悟がなくてはこのゲームをクリアする事はむずかしいかもしれません。
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